現在位置
仙台市の指定登録文化財(仙台市HP) >
仙台市の指定・登録文化財 >
仙台城本丸跡出土ガラス製品

せんだいじょうほんまるあとしゅつどがらすせいひん

仙台城本丸跡出土ガラス製品

In English
指定区分
Classification
仙台市指定 / 考古資料
年代
Age
江戸時代

Quantity
474
指定年月日
Designated Date
令和8年(2026) 03月30日

所在地
Location

仙台市宮城野区高砂2丁目22-1
Google mapへのリンク

解説
Description

 本資料は仙台城本丸跡の発掘調査で出土したガラス製品474点からなる。
 これらの資料は、寛文8年(1668)の地震で被害のあった石垣の修復に伴う、石垣前面の整地層から出土している。いずれも破片であることから、本丸で使用・管理されていたものが地震により破損し、一括で廃棄されたと考えられ、少なくとも寛文8年(1668)以前に搬入されたものといえる。本丸は伊達政宗の没後である寛永16 年(1639)以降に使用が減少することから、入手された時期は政宗存命時に遡る可能性も指摘されている(関根 2023)。
 また、国内で近世初期までのヨーロッパ産ガラス製容器が出土した遺跡は少なく、その中でも仙台城本丸跡からの出土点数は全国で最多を誇る(関根2023)。エナメル彩を施した杯、鉢状の容器、ゴブレット等の器種を含み、ブルー、グリーン、アンバー(琥珀色)といった豊富な色彩が認められるなど、一括資料として、数量規模、器種・色彩の多様さにおいて類例がなく貴重である。
 蛍光X線分析により、単色で構成されるガラスは主にソーダ石灰ガラスと判定され、着色剤としてドイツ•エルツ山地のシュネーベルク鉱山由来と考えられるコバルトや、中東産と一致する砂の成分が検出されている。一方でエナメル彩ガラスの基材となる透明のガラスはカリ成分の多い木灰ガラスであり、15〜17世紀の中央ヨーロッパのガラス生産技術と一致することから、本資料は海外に製作の起源を持ち、原材料の複雑な交易や多様な生産拠点を経て仙台藩にもたらされたものである可能性が指摘されている(Lau,C.S.Y et al. 2025)。
 以上から、本資料は近世初期における、ヨーロッパから仙台藩への物流の歴史を語る上で重要であるとともに、伊達家の海外文化への関心を窺わせる点において、非常に高い価値を有するものといえる。
参考文献
関根章義2023「仙台城跡・瑞鳳殿出土の舶載品」『日本考古学協会2023年度宮城大会「災害と境界の考古学」研究発表資料集』pp.397-404
仙台市教育委員会2005『仙台城本丸1次調査―石垣修復工事に伴う発掘調査報告書―第3分冊出土遺物編』仙台市文化財調査報告書第282集
仙台市教育委員会2006『仙台城本丸1次調査―石垣修復工事に伴う発掘調査報告書―第2分冊遺構編』仙台市文化財調査報告書第298集
仙台市教育委員会2009『仙台城本丸1次調査―石垣修復工事に伴う発掘調査報告書―第1分冊本文編』仙台市文化財調査報告書第349集
仙台市教育委員会2025『文化財年報46令和6年度』仙台市文化財調査報告書第528集
Lau,C. S. Y. et al. (2025) "Analytical summary on the investigation of the glass of Sendai Castle: trade from across the oceans" Sendai City Cultural Property Investigation Report No.528 pp.28-39

このページのトップへ戻る